大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(あ)349 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意について。

所論は違憲をいうけれども、実質は事実誤認の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告

理由に当らない。

弁護人鈴木喜三郎の上告趣意について。

記録を調べると、原審裁判所は被告人に対し、本件の控訴趣意書提出最終日を昭

和三〇年一一月八日と定め、その通知をすると同時に弁護人の選任に関する通知を

していることが認められるが、被告人から原審裁判所に対し弁護人の選任を請求し

たことは認められない。そして被告人は同年一〇月二七日自ら作成した控訴趣意書

を提出し且控訴趣意書提出期間経過後たる同年一一月一一日に至り弁護人沖源三郎

を選任する旨の届出をし、原審第一回公判期日には、右弁護人が出席して何等異議

を述べることなく、被告人の作成提出した控訴趣意書に基いて弁論したことが明ら

かである。尚右公判期日には被告人も亦出席在廷していたに拘らず異議の申立等を

した形跡は認められない。従つて原審裁判所が法律上弁護人を附さず審理裁判した

とはいえないし、被告人の弁護人を依頼する権利の行使を妨げたともいえず、違憲

の主張は採用できない(昭和二五年(あ)第二一五三号同二八年四月一日大法廷判

決、刑事判例集七巻四号七一三頁参照)。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決

する。

昭和三一年五月二二日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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